2014年8月28日木曜日

書評: カイジ「命より重い!」お金の話

経済学の基礎的な内容で、お金にまつわる話が書かれている。ところどころに漫画のカイジの1ページが差し込まれている。カイジの陥っている状況などを題材として、説明していく。

カイジが書かれていることで興味がひかれるような人を対象に書かれているわけで、そんなに難しい話をしてもしかたないからだろう。原則的な内容で、経済学の基礎はわかっている人なら知っているレベルのことのみで書かれている。たとえば、給料の決まり方は、資本論、つまり、必要経費で決まるという説明で書かれている。実際はさまざまな条件が絡むため、そのままというわけではないので、実感がうまくあてはまらず、逆に知らない人はこれだけ読んでも、わからないのではないだろうか。

最低賃金をあげたらどうなるか、という回答も、最低賃金で働いている人ような人が、まず、職を失う、という内容である。単純にはそう考えられるが、状況次第でそうではない。たとえば、少し前の日本のようにデフレーションで苦しんでいる時期であれば、インフレーションにうまくつながり、景気がよくなるなど、いいスパイラルにつながるかもしれない。そのような場合は、職を失うという結果にはならない。

この本はお金に対する考え方の本で、借金をしてしまうような人向けなのであるが、そういう人が読もうとするかどうかはよくわからないところだ。とりあえず、この本を読むと、カイジを読みたくなってくるのは確かだ。

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